たつき諒『私が見た未来 完全版』が再び注目される理由
はじめに：再び注目される “たつき諒の予言”
2025年7月5日という日付をめぐり、たつき諒による数々の“予言”が再びメディアやSNS上で話題となっています。
予言漫画『私が見た未来 完全版』に登場する「大災難の日」という言葉は、その日が何らかの異変や災害の到来を示しているのではないかと憶測を呼び、X（旧Twitter）やYouTubeでは数多くの議論や解説が展開されています。
では、この一冊がなぜここまで注目されるのか。そして「7月5日」という日は何を意味するのか。
科学的な懐疑の目も含めて、文化的・社会的側面から改めてこの“現象”を読み解いていきます。
『私が見た未来』とは何か？
たつき諒の『私が見た未来』は、夢で未来の出来事を「予知夢」として見た内容をもとに描かれた漫画作品です。
1999年に初版が発行されましたが、その後長らく絶版となっていました。
しかし2021年に刊行された『完全版』では、2011年3月11日の東日本大震災を“夢の中で予知していた”という記述が含まれており、出版直後から再評価の声が高まりました。
とりわけ注目されたのが、「大災難は2025年7月に来る」という一文です。
7月5日予言の内容とは？
作中では「大災難の日」とだけ書かれており、具体的な災害や事件の内容は明示されていません。
ただし、著者本人は後のインタビュー等で以下のように語っています。
- 富士山噴火のようなビジョン
- 首都直下型地震のような揺れ
- 世界的な規模の異変（未確認）
これらの証言から、読者やネットユーザーの間では「2025年7月5日＝巨大災害が起こる日」という連想が定着しました。
一方で「日付の一致は後付けではないか」「思い込みではないか」といった懐疑的な声も少なくありません。
XやYouTubeで拡散する“予言エンタメ”
SNS時代における「予言」の力は、かつてないほど大きなものになっています。
X（旧Twitter）では「7月5日地震説」が話題となり、以下のような“前兆”が日々共有されています。
- 地震雲の写真
- 動物の異常行動
- 防災グッズの品薄報告
また、YouTubeでは解説系チャンネルによって「7.5大災害説」や「富士山噴火Xデー」といったキーワードが拡散され、再生数を伸ばしています。
このように“予言”はエンタメとして消費される側面も強く、真偽より「話題性」が優先されている点に注意が必要です。
科学的に見る“予知夢”と予言の限界
現在の科学では、「予知夢」が未来を正確に予測できるという根拠は存在しません。
夢は無意識の情報処理や記憶の整理過程で生まれるとされており、未来を写し取る能力とは無関係です。
また、地震学の観点からも、「特定の日に特定の場所で地震が起きる」と予測することは、現在の技術では不可能とされています。
文化としての“予言現象”
このたつき諒ブームは、単なるオカルトではなく、日本人の集合的無意識やメディア文化を映す存在でもあります。
- 災害の多い日本で暮らすことの心理的不安
- 公式情報よりも「体感」や「共感」が重視される風潮
- エンタメ化した“恐怖”との向き合い方
予言を信じるかどうかにかかわらず、その背後にある“感情”や“社会の空気”に目を向けることで、日本社会の無意識が浮かび上がってきます。
私たちにできること：冷静な備えと柔軟な思考
「2025年7月5日」が近づく中、不安や緊張が高まっているのは確かです。
しかし、それを無闇に恐れるのではなく、「備えのきっかけ」として捉えることが大切です。
今日からできる備えの例：
- 家族で避難ルートや集合場所を共有する
- ラジオ、懐中電灯、水などの防災グッズを準備する
- SNSより気象庁や自治体の公式情報を優先して確認する
冷静な思考と日常の備えが、どんな“予言”よりも現実的な安全につながります。